龍馬の妻・お龍は幕府側のスパイだった!?説を徹底解説
坂本龍馬の奥さんとして有名なお龍(おりょう)ですが、実は「幕府側のスパイだった!?」という驚きの説があります。
もし、これが真実であれば、お龍はなぜ、倒幕のために動いていた龍馬に近づいたのでしょうか?
そこで今回は「お龍スパイ説」を解説していきます。
お龍は間接的に「幕府側の人間」とつながっていた!?
お龍の父・楢崎将作(ならざき しょうさく)は京都の町医者で、公家の中川宮(なかがわのみや)の侍医をしていました。
中川宮は会津藩主・松平容保(まつだいら かたもり)に「倒幕派を弾圧しろ」という命令を出していました。
つまり、お龍は間接的に「幕府側の人間」とつながっていたということです。
この関係性から、お龍のスパイ説が生まれました。
また、新選組の近藤勇(こんどう いさみ)は中川家の指示で、度々お龍の元へ訪れていたそうです。
その際、近藤勇がお龍を気に入ったという説もあります。
お龍はなぜ「寺田屋事件」で龍馬を助けた?
ここで1つの疑問点が生まれます。
「寺田屋事件」では、入浴中のお龍が、幕府の役人が襲ってきたことに気づき、裸のまま龍馬に知らせに行った話が有名ですが、スパイであるお龍はなぜ龍馬を助けたのでしょうか?
もし本当にお龍が「幕府側のスパイ」だったら、龍馬を救う必要はありませんよね。
実は、お龍は幕府の役人が寺田屋を襲撃することを事前に知っていました。
しかし、お龍は敵である龍馬を愛してしまっていました。
そこで、ギリギリのところで龍馬を逃がしたと考えられています。
また、裸のまま龍馬に知らせに行ったエピソードも、どうやら作り話のようです。
実際は、台所からずっと外を見張っていたそうです。
お龍は「龍馬暗殺事件」にも関わっていた!?
さらに驚くべきは、お龍は近江屋での龍馬暗殺事件にも関わっていたことです。
お龍は、龍馬が近江屋にいることを彦根藩志の西村松兵衛(にしむら まつべえ)に伝えていました。
当時、彦根藩と会津藩は同じ幕府側(=仲間同士)で、西村松兵衛は、お龍が寺田屋にいた頃からの常連客で、とても親しい間柄だったそうです。
そして、この情報が松平容保に伝わり、容保は見廻組(みまわりぐみ=京都の治安を守る警察のような組織)に命じて龍馬を暗殺させたのです。
龍馬の死後、お龍は西村松兵衛と再婚していますから、この説はかなり信憑性が高いですよね。
まとめ(超個人的見解)
龍馬の死後、西村松兵衛と再婚したお龍ですが、夫婦関係はあまりうまくいかず、やがて別居。
お龍の晩年はアルコール依存症のような状態でした。
また、酒に酔ったお龍はよく「私は坂本龍馬の妻だ!」と口にしていたそうです。
「お龍スパイ説」が真実だったとしても、お龍の心は常に揺れ動いていたはずです。
父親と幕府のためには龍馬を殺さなければいけないけれど、敵である龍馬を愛してしまっていたからです。
そんな心が揺れ動くお龍の姿が、龍馬にとって魅力的に映り、「まことにおもしろき女」という言葉が生まれたのであれば、龍馬にとっては皮肉な話です。
お龍がスパイだったかどうかは永遠の謎ですが、龍馬とお龍が愛し合っていたことは間違いない事実でしょう。